CVT(無段変速装置)はどこまで進化するのか??
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最近4輪のテレビCMを見ていると、「CVT」なんて言葉をよく耳にしますが、旧来のオートマチック変速装置よりも、駆動ロスが少なかったり、変速ショックがほとんどなく、燃費も良いらしいので、最近はこぞって(得にエコ車には)新機種に採用され、それが謳い文句となっているようです。
ご存知のように2輪車のスクーターにもCVTは採用されているわけで、車とは別次元で進化を続けております。特にアフターパーツの新興メーカーが手がける製品には工夫や独創性があり、感心させられることも多く、例えば以前にレポートさせて頂いたスクーターの駆動系チューニングパーツJ.COSTA。今までにないCVTの構造で大変感心させられたブランドの一つです。
そこで今回は「NCY」という台湾のブランドをご紹介したいと思います。
こちらのブランドはモーターサイクルからスクーター、ATVまで幅広くパフォーマンスパーツを作っているメーカーで、日本でも最近ちらほら名前を聞くようになり、年々知名度を上げているブランドの一つではないでしょうか? 2007年のMAAT Scooter Racing championship (台湾のスクーターレース)で年間チャンピオンを獲得したことも影響しているのかもしれません。
今回ご紹介するNCYスクーター用プーリーキットは、バリエーター・ウェイトローラー・プーリーハーフ・クラッチ・クラッチハウジング・センタースプリングなどの駆動系フルセットです。
それぞれのパーツの基本構造・作動原理は、従来的で普通なのですが・・・。
今回、得に目を引く部分は、バリエーターの内側にゴールドに輝くテフロン加工(その名もゴールドプーリー)。
超スベスベな処理がされています。こんなことされたらウェイトローラーも、スライドピースも大喜びで動いてくれそうな手触り。昔TV通販番組でよくやってた、こびりつかないフライパン、油なしでも、すべって動き回る目玉焼きを思い出してしまいました(笑)
さらに、クラッチのハウジング内側。
クラッチが接触する部分がサンドペーパーのように表面がざらざらです。こちらは逆にエンジンの駆動力は少しも逃さないという意志が感じられます。
しかも全周にわたって、小さな穴が開いているのがお分かりいただけますでしょうか?
ブレーキのローターにホール加工がされている構造を思い起こさせます。放熱?クラッチダストの逃がし?クラッチ鳴きやジャダーの防止?軽量化?などとエンジニアリング的(?)妄想が広がってきます・・・。
この他にもクラッチセンタースプリングの座面にはベアリング付きを採用するなど、摩擦抵抗をなくすところは極限までなくし、必要なところはとことん利用する工夫がされています。「エンジン出力は少しも無駄にはいたしません」と言わんばかり、作り手の意志を感じさせるキットとなっております。さすが台湾チャンピオンの実力、その理由も推して知るべしです。
ちなみに今回導入した車両は、ノーマルだと多少もっさりした乗り味のシグナスX。取り付け後は125ccスクーター最速との呼び名の高いアドレスV125Gにも遜色ないきびきびとした加速を見せるとか・・。
今や時代のトレンドともなっているCVT、その進化に今後も注目していきたいところです。
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NCY CHAMPION CVT SET FOR シグナスX125 26040円 (税込、別途取り付け工賃)