オートバイを「買う」ということ・・・。
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いや、急に寒くなりました・・・。
私事で恐縮ですが、めげずにオートバイを買ってしまいました。実は、オートバイなしの生活がかなりの期間になっていたんです・・・。
もともと物欲のあまりない人間でして、ほしいという気持ちが多少起きても、すぐに忘れてしまい・・・結局買わずじまいで終わるというパターン。
何で久々に買う気になったのかな?などと通勤電車のつり革につかまりながらボンヤリ考えていたら、1年位前にした親父との会話をふと思い出しました。
その日はちょうどお盆休み中で、一緒にゴルフをしたあとに宿泊していたロッジの軒先で、昼から酒を飲みながら話していたんです。
私: 「・・・略・・・つまり、ゴルフなんて、別にTVゲームでもできる訳だし、
わざわざこの場に来てやらなくてもいいんじゃないかって。
下手の言い訳かも知らないけど・・。もちろん今はリアルなゴルフと
バーチャルなゴルフとは経験できる情報量には雲泥の差が
あるけども、それってコンピューター技術の進化でいかようにも
埋められたりして。近い将来、リアルにゴルフをしている感覚が、
TVゲームの世界で経験できるようになったとしたら?
それでもリアルにゴルフをする価値があるのだろうか?
・・・・じゃあ、オートバイを所有して、走らせてという、いわゆる
リアルに『風を感じる』的な感覚だって似たような話で、
自宅に居ながらそれとイコールな経験ができる日が来るとしたら、
お客さんがリアルなオートバイを所有する意義、そして販売する
我々や作り手の存在意義はなんなんだろうか?」
父: 「もちろん、リアルとバーチャルの境がはっきりしない時代が
すぐそこに来ているのは事実だが、例えばオートバイを製造する
人間はその2つの世界が最終的にイコールにはならないと信じて
物づくりをしているはずだ。いくらコンピューター技術が進化したと
してもリアルな風とバーチャルな『風』は絶対に一致しないと・・・」
ここまで言い切るとは思っていなかったので、その時、正直ちょっと「ふーん」と感動したんですね。
そして、1年経って私が新たにバイクを買う気になったのは親父とのその話が底辺にあるのはもちろんなのですが、さらに私なりに言えば、そのオートバイを作った製造者の意思や、前のオーナーのそのオートバイに対する愛着(私が購入したのは中古車で、大切に乗っていたのが判るオートバイです…)を感じたからなのでしょう・・・たぶん。
製造者・セールス・サービスマン・中古なら前のオーナー様。そのオートバイに関わったすべての人のその物に対する「想い」や「物語」こそが、リアルな世界とバーチャルな世界との決して埋めがたいギャップであり、物を所有する意義とは実はそんなところにあるのかも知れませんね・・・。
是非、皆様も「これ」という一台をお探しにSCSへ遊びにいらしていただけると幸いです・・・。